身のこなしが健康を創ります
身のこなしがこれからの時代の健康を創ります…
これまで、ヨーガ、気功、太極拳、合気柔術などを修練してきましたが、これら東洋の伝統的な体術は、西洋のスポーツと異なり、記録や競争が目的ではなく、いかに無理なく無駄のない動きが発揮できるかが大切です。
伝統的な体術においては、まず自然に立つことが基本であり、微妙に重心を沈め、体軸を定め、動くときも自然体を崩さない事が重視されてきたことは、すでにお伝えした通りです。
日常の姿勢から離れるのではなく、自然に身についている姿勢や動作を深く極めて行くことが、要である切り替えポイントとなっている訳ですが、このことは、取りも直さず、病気やケガを創ってしまうのも、日常動作への怠りなどが原因となることが多く、逆に、健康を創りだす力を秘めているものが、日常の何気ない動作であることを物語っています。
若く元気な方でも、スポーツによる怪我や事故による骨折などで歩けなくなって初めて、歩くことの困難さを知るのです。ハイテク工学の粋を集めて歩行できるロボットが開発されていますが、歩くという人の一つの能力を実現するために、莫大な費用と長い年月をかけているわけです。人の歩くという能力は、極めて高度で神業に近いような複雑なメカニズムなわけです。
それは、地球に生命が誕生して以来、原始生命から水棲の魚類に進化し、陸上に登り、四足動物となり、二本足で立つ人類に進化するまで、数億年という歳月をかけた工夫と努力の結果なのです。
身体を取り巻く環境を地球の生態系に合うように変えていくエコ事業が盛んになってきていることはいいことです。しかし元来自然であったはずの身体をエコロジカルに戻していくことも大事なことなのです。
不自然な歪んだ姿勢や動作が続くと、腰痛、肩こり、膝痛などを起こしやすいですし、内臓を圧迫してその働きを弱めるのです。また不安定でバランスの悪い姿勢は、つまずいたり、転倒しやすく、怪我の原因にもなります。不安定で固くなった姿勢では、車がぶつかってきたり、上から物が落ちてきたりといった咄嗟の危険をすばやく避けることができないのです。
また心の状態は、姿勢や動作に反映されています。姿勢や動きをより自然な安定した状態にできれば、心のわだかまりやストレスも消えて行くのです。
自然の原理を意識的に学び直すことによって、日常の姿勢が変わり、動作の流れやバランスもスムーズになってきます。身について行くうちに肩こり、腰痛、膝通といった不定愁訴も自然と消えていきます。自然の原理に適った動きは、事故や怪我を未然に防ぎ、自然な力を発揮します。
スポーツとは異なる、体の自然の原理にゆだね、自然に融合する動きは、水の流れのように、木がそよぐように、心地よく美しいのです。まさに気の流れに沿う、気持ちよい動きとなるのです。歩く・立つ・物を扱う・坐る・寝るという日常のしぐさが快適に無理なく行われるようになれば、生活すること自体がいきいきと楽しくなってくるのではないでしょうか。
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